“蒸気機関車”人の巧みな技術によって火と水で走るこの生き物の姿は、日本の美しい四季の風景を走る事によって、見る者を感動の世界に引き込む魅力を持っております。1975年まで日本の国鉄として全国を走っていたその姿と、またさらに現在全国各地で復活し走っている勇姿を含めて、この写真館では皆さんにじっくり作品を見ていただき、懐かしい感動が少しでも伝わる事を願います。写真はたくさんあります、あなたが行って印象深かった路線、生まれ故郷などを中心にご覧ください。
蒸気機関車 その魅力
1972年、まだ中学生のころ、プール帰りの昼下がり大阪天王寺駅で煙を出すその黒い鉄のかたまりを目撃しました。当時でさえ、もう蒸気機関車なんて古いものがこの世に存在するはずがないと思っていた私は、不思議な興味を引かれました。
その後、新聞で日本のローカル線を蒸気機関車が細々と走っており、関西でも走っていることを知り、早速カメラを持って関西本線の加太駅に出かける事にしました。
目的駅に着いたとたん隣のホームに「彼」はいました、すすで真っ黒なボディ、真っ黒な顔をした機関士、煙突からの真っ黒な煙。 列車交換が終わった「彼」は飛び上がってびっくりする様な汽笛を鳴らして蒸気を吹き出して走って行きました。
感動しました、100トン近い鉄の塊が「火」と「水」によって自ら動いている様は普段見慣れた電車に無いまるで生き物のよう な感じを受けました。
これが蒸気機関車に取り憑かれた理由です、この後私は消えゆく彼を追い続け九州、北海道と旅を続けていくことになります。
さて、今の時代になり仕事柄インターネットに興味を持ち、自宅パソコンをプロバイダー契約しホームページを持てることを利用して、何か全世界に公開してみようと考えて、前述の蒸気機関車を選びました。
いつかは当時写した多くの作品を、時代から忘れられる前に公開できたらいいと考えていたのが、いとも簡単にたくさんの人に見てもらえる環境を得、早速フイルムスキャナー(フイルムを電子写真に変換)を買い、全国の景色の中を四季折々に煙を残して走る写真をホームページに公開しました。
なんと言っても楽しみはこのホームページ開設により、ほんとに日本全国の色々な人々から感想を頂き、自分の作品が初めて人前に出て価値あるものになったと感謝しております。
今後も、この新しい仲間との交流を通して、復活した蒸気機関車の撮影等、新たな作品作りに励みたいと思います。
久保 順